原始的な焼き畑農法で夏に山焼きし、
そこに種をまいて秋に収穫される真っ赤な「あつみ蕪」。
庄内名物としても知られる、このカブラ漬けの初物が市場に出始め、
目の前を流れる温海川に鮭の遡上が見られるようになると
あつみの秋もいよいよ終盤戦。
当館のお庭もこのところの寒さで、ぐっと色づきを増してきました。
木々が紅葉のピークを迎える11月は
ご到着されたお客様の多くが、ラウンジ正面に広がる
この景色を足を留めて楽しまれます。
歩いて楽しめる池泉回遊式庭園の秋は
季節をより身近に感じることができ、とても詩情豊か。
一陣の風に水面を揺らす落ち葉や、
折り重なるように中島を彩るモミジ。
機敏だった錦鯉の動きも水温の低下とともに
どこかゆったりとして、とても優雅です。
窓枠や障子に額縁のように切り取られた
離れから眺めるお庭の景色も絵画の世界。
残念ながら、可愛らしい姿を見せてくれているカルガモ達の姿も
お庭で見られるのはあとわずかとなります。
心で聴く音楽のように賑やかで静かなこの景色を
身に沁みる温泉のぬくもりとともに
ぜひ、ゆったりとお楽しみいただけたら何よりです。